できれば、夏が終わるまではこのままでいたい。

そう思っていたのに、ベテランさんから、
ついに恐怖の宣告を受けました。

「来週から独り立ちしてネ☆」

今まで、先輩と仕事を分け合ってきた。
2人でやっても、5時までに終わらないこともあった。

そんな仕事を、一人でやれとベテランさんは言うのです。

ベテランさんは笑顔だったけど、目は笑ってなかった。

ホントは1ヶ月で独り立ちさせるところを
2ヶ月待ってやったんだから、口答えすんな。

あの目は、そう言ってました。


先輩は1年前に、たった2週間のレクチャーを受けただけで
独り立ちさせられた、と聞いている。

だから、私は恵まれた方なのだ。

だけど、正直、物理的に無理だろ。と思う。

私の頭は1つしかないし、手は2本しかないんだからな。


例えば、これから仕事がヒマになる時期というならわかるけど、
この業界は夏が一番忙しいんだそうな。

昨日も2000件近いデータの校正があり、
私ができたのはたったの400件。(残りは先輩がやってくれた)

そんな力しかないのに、独り立ち。

基本的に校正はその日のうちに終わらせることが条件で、
そして誰も手伝ってくれない。

今まで手伝ってくれた先輩は、別の部署に異動だし。


でも、先輩もお気の毒なのです。

私より忙しいチームに加えられ、しかもそこのチームリーダーが
厳しくて意地悪で有名なんだそーです。

先輩の恐怖の予言では、私もいずれそこに行かされるとか。


そこに異動が決まったら辞めるかもなー。

だって忙しいだけなら頑張れるけど、意地悪には耐えられんでしょ。

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