読み終えました

2005年2月26日
やっと「生きながら火に焼かれて」を読んだ。
ついつい、マンガの「まっすぐに行こう」を先に読んでしまい、
面白かったものだから、一気に9巻まで買って、
しかも、2回リピートして読んでいたので、
「生きながら・・・」を読むのが後回しになっていた。

読み終わっての感想は、とにかく吐き気がする、ということ。
スアドさん(作者)が育った村での、女性の扱いは家畜以下だ。
実際、彼女は実の父から、
「女は牛や羊以下だ」と何度も言われている。
そんな女性から男達も生まれたくせに、何を言うか。
と、思うけれど、彼らの風習にはそういう意識はない。
ものすごいくだらない理由で女たちは、毎日毎日、
父や夫から暴力をふるわれる。
殴られるとか、蹴られる、というのは日常茶飯事で、
厩に縛られて、口には叫べないようにスカーフを押し込まれ、
一晩中そのまま、なんていう非人道的な虐待も、
当たり前のように行われ、殺人すら日常的に行われる。
女の子をたくさん産むのはいけないことのようで、
彼女のお母さんは、出産して、生まれたのが女の子だと、
その場で窒息死させる。
口減らしという意味ではなく、女の子は不要の生き物だからだ。
でも、何度も言うけど、女性と男性と両方いなくちゃ、
子供って生まれないんだから、不要物扱いはひどすぎる。

やがて、彼女は恋に落ちて、禁断の婚前交渉をしてしまい、
妊娠までしてしまう。
彼女の村では死罪に値する重罪だ。

一番許せないのは、彼女の相手の男だ。
同じ村の男なんだから、結婚前の娘に手をつけて、
妊娠なんかさせたら、彼女が殺されるのは承知の上だろう。
それを知ってて、そーゆーことするんだから、
きっとヤツは人間の皮をかぶった悪魔に違いない。
自分の欲望を満たすためだけに(彼の方はそもそも遊びだった)
彼女に手を出したのだ。
バレたら彼女が火あぶりになると知っていて。

もう、考えたらムカムカしてきて吐き気が止まらない。
私に超能力か魔法が使えたら、その男を同じような
目にあわせてやりたい。
というか、そんな風習を守っている村の男全員が許せない。

でも、三つ子の魂百まで、とか、雀百まで踊り忘れぬ、とか
言うように、小さい頃からインプットされた風習を
変えるのって、そんな簡単なことではないだろうな、
とも思う。

結局彼女は、福祉団体の人の手によって助けられる。
病院でも彼女は「汚物扱い」で、やけどの手当てもされず、
飲み物や食べ物も与えられず、ただ死ぬのを待たれていたのだ。
福祉団体の人の目に止まったのは、幸運なことだ。

けれども、今でもそういった人たちにめぐり合うチャンスも
なく、忌まわしい慣習に縛られている女性がたくさんいるのだ。
彼女達が一日も早く、その足かせから解き放たれることを
心から望んでやまない。

私にできることと言ったら、とりあえず本の最後の方に
書いてあった、福祉団体への心ばかりの寄付だろうか。
でも、「ドルで寄付の場合」とか「ユーロで寄付の場合」
とか書いてあるんだけど、外国へ送金するのって
どうやるのかな・・・。

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