トイレにて

昨日に引き続き今日も忙しかった。
月末と月初めが忙しいのはいつものことだけど、
年末が近づくと、忙しさも倍増する感じだ。
今日もトイレに行くのも我慢するほど忙しく、
夕方になって、ようやく一段落したので、
ゆっくりトイレに行く事にした。

トイレに行くと、2つある個室は両方とも
青になっていて、誰も入ってないことを示していた。
一人きりなので、のんびり鏡を見て髪を直し、
化粧を直し、手を洗い、それから個室に入った。
洋式のトイレに座ると、今日の疲れが一気に出て、
「ほぇぇぇぇー」と深いため息がもれた。
朝から資金移動やら、電話やら、タイムカード処理やら、
忙しかったなぁ・・・。
「疲れたぁ・・・」
思わず独り言がもれた。
さらにのんびりして安心したせいか、
膣から空気が漏れて、「ぺぺぺぺ」
と変な音が出てしまった。
（オナラじゃありません。念のため。）

その時、誰もいないはずの隣の個室から、
咳払いが聞こえた。

誰かいる！？

でも確か個室の鍵は両方とも青だったはず・・・
もしかして見落とした！？

隣の誰かは「自分はここにいますよー」
と自己主張するように、何度も不自然に咳払いをし、
ごそごそと音を立て始めた。
今まで、まったく音を立てずに潜んでいたくせに・・・

私はあわてた。
誰もいないと思ったから、個室内でため息ついたり、
独り言言ったり、それに不可抗力だけど、変な音まで
立ててしまったのだ。
多分、隣の人はオナラだと勘違いしたに違いない。

隣の人より早く出て、顔を知られないようにしなくては！

どうやら隣もそう思ってるらしい。
にわかにあわてて身支度をしている様子がうかがえる。

でも、私の方が早くレバーを押し、
水を流す事ができた。
あわてて個室を飛び出し、隣の個室の鍵を見る。

青だ！！

コイツ、鍵を閉め忘れているんだ・・・

私は急いで手を洗ってトイレを飛び出した。
顔が知られなくて良かった。

それにしても、両方とも青だったから、
ノックせずに開けてしまったけど、
もし私が入ろうとした方に、その人が入っていたら、
大変な事になっていたなぁ・・・

まったく鍵はちゃんと閉めてよね！！